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電話BOX

Blog_2017_02@2x

若い世代で、電話BOXの使い方がわからない人がいるそうだ。
①受話器を上げて→②硬貨(テレホンカード)を入れて
→③電話番号を押す、の順を間違えるという。
また、ケータイの連絡先に頼ってしまい、相手の電話番号を
記憶していないケースも多いらしい(私もそのひとりですが)。
何らかのトラブルに遭ってケータイを失ったら、
身内に連絡することができないのだ。

これだけケータイが普及したのだから、ムリもないと思う。
自宅に固定電話機を置かない世帯も増えているし、
20代では1割強ほどだと言う。
大和郡山市では、大量の水と金魚を入れ、
巨大な金魚鉢アートとして鑑賞していたりする。
もはや電話BOXは、時代に取り残された無用の長物なのかもしれない。
公衆電話は1984年に台数がピークを迎え(約93万台)、
1999年までに硬貨専用機から
全てテレホンカード対応機へ置き換えが完了し、現在は約17万台。
なんと世の中にある公衆電話は、ピーク時の2割にも満たないそうだ。

硬貨しか使えなかった頃、100円玉では釣り銭が出ないので、
込み入った用件だったり、相手が遠距離だったりする場合は
何をどの順番で言おうか、話したい&伝えたいことを頭の中でまとめて、
一呼吸置いてから受話器を上げていた。
ましてや相手方は固定電話で、誰が出るかわからない。
予め10円玉をたくさん積んでおいて、
話がこじれそうな際には満を辞して100円玉を投入し、
残り時間と残り硬貨を睨めっこしながら話してたっけ。

テレホンカードはその解決策としても開発されたそうだけど、
硬貨が落ちていく音を聞きながら、もうすぐ切れる!という前に、
からくも追加投入して会話を続けた。
それは、繋がっている時間が、儚く、有り難く、
緊張感あるリアルな体験として、
ケータイにはない密度の濃いものだったのだと思う。

ただそんな、絶滅危惧種の電話BOXも、
いたずらに放置されているだけかというとそうでもないらしい。

実は防犯・防災目的で、ある一定数をわざと残しているそうだ。
非常時・災害時用のライフラインとして、
いざという時無料開放し使えるようにするために、
自治体に設置が義務付けられている。
また新しい試みとして、ロンドンでは既存の電話BOXの屋根に
ソーラーパネルを設置して、30秒でケータイ電話が充電できる
ソーラーBOXとして再利用するビジネスが始動したらしい。

「人影も見えない 午前0時 電話BOXの 外は雨
かけなれたダイアル回しかけて ふと指を 止める」

流行りうたにも頻繁に登場した「電話BOX」は、
人の間のコミュニケーションの表舞台からは退いて
一気に絶滅するわけではないにしろ、
細々とその役目を延命されているようである。

その昔、電話線の向こうの相手と、
どうしても話したくて、声を聞きたくて
いくつかの感情が飛び交った透明な箱。

あらゆるものが繋がりまくった現代で、
まるで城跡のかつてを見るように、あの頃を想像しながら
ふとまた立ち止まってしまうのでした。